
コラム
BtoBサイトの役割は?制作と運用のポイントについて解説!
「BtoBのサイト制作ってしたほうがいいのかな」
「BtoBのサイト制作をする意義ってあるのかな」
「BtoBのサイト制作をするときの注意点が知りたいな」
上記のような疑問をお持ちの方に向けて、BtoBサイトについてご紹介します。
多くのBtoC企業がWebサイトの重要性を認識しており、Webサイトを運営しています。BtoC企業のWebサイトを訪問したユーザーは商品・サービスに興味を持ったり、Webサイト上で商品・サービスを購入することもあります。
これはBtoCに限った話ではありません。BtoB企業も有用なWebサイトを制作・運用することで、新規顧客獲得や売上アップに繋げることが期待できます。
この記事では、BtoBサイトの役割や訪問ユーザーの特徴、BtoBサイト制作で押さえておくべきポイントについて解説していきます。BtoBサイトを制作するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
CONTENTS
1.BtoBサイトの役割と目的
BtoBサイトの役割は、訪問ユーザーに自社を知ってもらうことです。
経済産業省の「令和3年経済センサス-活動調査」によると、日本には約507万もの事業所(株式会社や工場等)があることが分かります。これほど多くある事業所の中から、自社を知ってもらうための役割がBtoBサイトです。
また、BtoBサイトの目的の1つは、見込み顧客の獲得です。ユーザーが、BtoBサイトに訪問して自社に少しでも興味を持ってもらい、問い合わせしてもらうことを目指します。
(参考)経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」
ネットが普及するよりも前は、電話や訪問による営業活動が一般的でした。
しかしIT化が進んだ現代において、分かりやすいBtoBサイトを作成すると、ユーザーは場所や時間に関係なくサイトから情報を得ることができます。
BtoBのビジネスはBtoCとは違い、比較検討の期間が長いのが特徴です。
また、多くの企業が、事前にサイトからサービスの情報を得て比較したうえで、問合せする企業を選定しています。
その為、比較検討ができる情報をサイト上に公開し、より多くの見込み客に提供することが重要なのです。
2.訪問ユーザーの傾向とBtoBビジネスの特徴
では、BtoBサイトに訪問するユーザーの傾向と特徴について紹介します。
情報収集は業務の担当者が行う
BtoBサイトに訪問するユーザーは、具体的に誰でしょうか。商材にもよりますが、一般的には、企業の担当者レベルの社員が、サイトを見る割合が高いでしょう。社長や役員ではなく、そのサービスに関わる担当者や管理者が次の行動(問い合わせやホワイトペーパーのダウンロード等)に繋がるような導線をひく必要があります。
このように、訪問ユーザーの傾向と特徴を抑えて、BtoBサイトの設計をすることが大切です。
契約の意思決定は個人ではなく組織で行う
企業が新しい契約を締結するときには、個人で決定している訳ではありません。一般的には、企業が契約を取り交わすか検討する際、組織全体で審議しています。BtoBサイトを訪問した社員が商品・サービスに興味を持っても、組織全体もしくは決裁権を持っている人が興味を持たなければ契約締結には至りません。
サービスを導入することで、企業にとってどんなメリットがあるのかを分かりやすく伝えることが大切です。
契約するまでの時間が長い
前段でも触れましたが、企業が契約するまでには時間がかかります。契約の規模や金額にもよりますが、契約にかかる時間としては大体3ヶ月〜6ヶ月を想定しておきましょう。中には、1年間かけて契約が決まる場合もあります。
企業の契約するまでの時間が長い理由は、社内で慎重に検討を重ねているからです。契約することのメリット・デメリットを踏まえて、関連部署で契約の必要性について議論しているのです。
契約するまでの時間は長いですが、その間は焦らず上手く顧客との関係を保ちましょう。すぐに契約できないからといって、顧客を焦らせてしまうと企業イメージの低下に繋がりかねません。
一度契約をすると長期間取引が続くことが多い
契約するまでの時間は長いですが、一度契約をすると長期間取引が続くことが多いのが特徴です。特に企業規模が大きくなるほど、この傾向があります。
規模の大きい企業だと、意思決定すべき事項が他にもたくさんあります。そんな中で、一度契約したものを再度見直すには相当の労力やスイッチングコストが掛かるので、一度契約をすると長期間取引が続くことが多いのです。
3.BtoBサイト制作のポイント
BtoBサイト制作の目的や訪問ユーザーの特徴について分かったところで、次に実際にBtoBサイトを制作する際のポイントについて紹介していきます。
目的を確認し、ゴールを設定する
BtoBサイト制作の目的は様々です。BtoBサイトの目的の具体例として、企業情報の発信、商品の販売促進、新規受注先の拡大、もしくは一緒に働く社員の募集などがあります。
BtoBサイト制作の目的によって、サイト設計が異なります。制作する目的・ゴールを最初に確認しておくようにしましょう。
ターゲットを明確にする
BtoBサイトのターゲットが明確でなければ、ありきたりのサイトになってしまい、ユーザーがサイトに訪問してもすぐに離脱されてしまいます。ユーザーがサイトを訪問したときに「まさに自分(自社)の課題を解決してくれるサービスだ」と思わせる工夫が必要です。
BtoBサイト制作では、必ず具体的なターゲットを明確にしてから、ターゲットに向けたデザインや記事を作成しましょう。
顧客ニーズを把握する
ビジネスでは、顧客ニーズに応えることが大切です。これはBtoBサイト制作でも同じです。
BtoBサイトを制作するときには、自社のサービスが【顧客が抱えているニーズ】にどのように応えられるかを記載する必要があります。
ここで押さえておくべきこととして、ニーズは、顧客が気づいている顕在ニーズと、顧客が気づいていない潜在ニーズに分かれるということです。
例えば、「決裁システムを導入したい」という顧客自らが気づいている顕在ニーズがあったとします。ここでの潜在ニーズとしては、「決裁に関わる事務作業を効率化して残業を無くしたい」「事務作業に要している時間を、他のコア業務に回したい」などが考えられます。
自社の商品・サービスでは、顧客のどのような顕在ニーズ・潜在ニーズに応えることができるか考えてみましょう。そして、BtoBサイト制作時には、自社サービスがそのニーズに応えられることを分かりやすく説明することが大切です。
自社の強みと他社との違いを明確にする
前述の通り、日本には約507万もの事業所(株式会社や工場等)があります。これほど多くある企業の中から顧客に選んでもらうためには、自社の強みを訴求することがポイントです。BtoBサイト制作に着手する前に、まずは競合他社と自社との違いをリストアップしてみましょう。
自社独自の強みを明確にしサイトでアピールすることで、顧客から選んでもらいやすくなるでしょう。
シンプルでわかりやすいサイト設計
商品・サービスが優れているにも関わらず、顧客が離れていくWebサイトとはどのようなものでしょうか。それは、複雑でわかりにくいサイトです。
Webサイトを設計する際には、シンプルでわかりやすくすることがポイントです。TOPページから、知りたい情報にスムーズにたどり着けるような構成・階層を意識して設計すると良いでしょう。サイトの階層は、一般的には3~4階層までにとどめた方が良いと言われています。
>>参考記事:効果的なホームページ構成の考え方は?テンプレートもご紹介
SEO対策をする
BtoBサイト制作では、SEO対策が必須です。SEO対策とは、ネット検索時に検索上位に表示されるための対策です。
SEO対策が、なぜBtoBサイト制作で大切なのか。それは、多くの人が商談に至るまでに、事前にWEBで情報収集を行い比較検討をしているからです。
言い換えると、自社サイトを見つけてもらえなければ「問合せをしてもらえない、比較検討の候補に入れない」という機会損失につながるでしょう。
検索ランキングはGoogleのアルゴリズムによって決められています。ネット検索するユーザーの疑問や悩みを解決する記事を作成すると、検索ランキング上位に表示されやすいと言われいます。自社サービスに関連した記事を定期的に作成するのも効果的ですね。
検索ランキング1位はクリック率28%程、2位はクリック率15%程、3位は11%程、4位は8%程と言われており、検索ランキングを上位表示させることができれば、多くのユーザーにクリックされやすくなります。集客効果を高めるためにも必ずSEO対策をするようにしましょう。
>>参考記事:ホームページのSEO対策をしたい人必見!SEO対策の必要性や費用を解説
4.BtoBサイト運用のポイント
BtoBサイト制作で押さえておくべきポイントについて解説してきました。ここからは、BtoBサイト制作後に、サイトを運用していく際の大切なポイントを紹介していきます。
継続的な情報発信
BtoBサイトの運用では、継続的な情報発信が大切です。定期的に企業の実績や取り組み、新製品などを発信することで、顧客と常に接触を保つことができます。
また、BtoBサイトの運用では、心理学に基づいた施策も実行していきましょう。
例えば、ザイオンス効果(接触をすればするほど好印象を抱く傾向にあること)を活用して、定期的に情報発信して顧客とのコンタクトを重ねる施策があります。
また、バンドワゴン効果(周りの皆が好きだと、自分もその対象物を好きになる傾向にあること)から、「導入件数○○件」「顧客満足度○○%」などの自社調査の結果を記載するのもおすすめです。もし外部機関が行った調査結果を使用する場合は、使用規定などをきちんと確認してから掲載するようにしましょう。
集客施策の実行
BtoBサイト運用では、集客施策を実行することが大切です。どれだけ優れた事業を展開していても集客施策を実行しないと、顧客はWebサイトに訪れてくれません。その結果、成果や売上向上にも繋がりにくくなってしまいます。
集客施策の例としては、リスティング広告やリマーケティング広告などのWeb広告を活用することがあるでしょう。また、SNSを運用するのも有用な集客方法です。
アクセスを解析してサイトを改善する
BtoBサイトの目的を達成できているか定期的に確認しておきましょう。
BtoBサイトの目的が「Webサイトから問合せを獲得する」という場合、毎月の目標件数を定めて、問合せ獲得件数や推移をチェックします。また、アクセス数に対してコンバージョン率(問合せに至る割合)はどのくらいかも確認すると良いでしょう。
そのためには、Google Analyticsなどのサイト解析ツールをもとにアクセスを分析し、原因を追求して改善策を考えましょう。このように、常にサイトを改善していくことがポイントです。
>>参考記事:【初心者向け】アクセス解析の始め方!解析のポイントやおすすめツールを紹介
顧客育成を行う
サイトを訪問した顧客がいきなり商品購入したり問合せしたりするのは、稀なケースです。顧客はサイト情報や競合他社との比較等を通して、問合せするかを検討しています。
そこで大切になるのが、まずは顧客との接点をつくり、そこから興味を育成していくことです。
最近では、問合せに至らない顧客を獲得するために「メルマガ登録」を促しているケースがあります。メルマガで情報を配信し顧客を少しずつ育成することで、最終的に購入や問合せに繋げる施策です。
メルマガ登録以外では、「資料ダウンロード」などの問合せよりもハードルが低い接点ポイントをホームページに設置しているケースも。BtoBビジネスは商談、契約にいたるまでに時間がかかります。そのため、まずは接点をつくり、そこから興味を育成する仕組みをつくりましょう。
5.まとめ
BtoB業界においては、有名な大手企業を除いて認知されている企業は多くはありません。自社を認知してもらうにはBtoBサイトは必要不可欠であり、言い換えればBtoBサイトの制作・運用によりまだまだ認知拡大のチャンスがあると言えます。
BtoBサイトの役割は、訪問ユーザーに少しでも興味を持ってもらい、有益な情報を提供し続けることで、自社への問合せ=新規顧客獲得・売上向上につなげていくことです。本記事でご紹介したポイントを参考に是非取り組んでみてください。
サイト制作・運用は専門的知識を必要としますので、「社内では制作が難しい…」「自社に適したサイトを提案してほしい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください!