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【例文付き】展示会アンケートとは?制作の流れやポイントも解説
展示会でより多くの顧客情報を得るためには、どのようなアンケートを作成するべきか悩む担当者は少なくないでしょう。展示会後の営業に活かせる効果的なアンケートを作成するためには、手順やポイントを押さえるのが重要です。
この記事では、展示会アンケートの重要性や制作の流れ、ポイントについて解説します。
これから展示会アンケートを作成する方だけでなく、展示会の出展を検討している方にもおすすめです。
ぜひこの記事を参考に、営業活動に役立つアンケートを作成してみてください。
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【CONTENTS】
1.展示会アンケートとは
ここでは、展示会アンケートとはどのようなものなのか、その目的について解説します。
概要
展示会アンケートとは、自社のブースに足を運んでくれた人に対して行うアンケートのことです。
アンケートを実施することで、来場者のニーズや課題の把握につながります。また、来場者とコミュニケーションを深めることも可能であるため、アポイントの獲得や展示会後のフォローアップにも有効です。
展示会のアンケートは、来場者の情報を集めるうえでの効果的な営業ツールのひとつといえるでしょう。
アンケートの目的
ここでは、展示会でアンケートをとる目的について解説をします。展示会のアンケートの主な目的は2つです。
①来場者の見込み度合いを把握するため
展示会には多くの人が来場しますが、見込み度合いはさまざまです。そのため、アンケートで見込み度合いを把握し、アプローチの優先度やフォローの仕方を検討する必要があります。
たとえば、製品やサービスの導入を検討していると回答をした人に対しては、商談のアプローチをすぐに行うことで成約の可能性が高まるでしょう。
一方で、製品やサービスの導入予定はないと回答をした人に対しては、お礼のメールを送ったり、情報提供をして継続的にフォローを行っていきます。
製品やサービスの成約につなげるためにも、来場者の見込み度合いを把握することが重要です。
②見込み客のニーズや課題を把握するため
見込み客のニーズや課題を把握することで、見込み客一人ひとりに適した提案が可能です。アンケートの回答をもとに製品の提案や展示会後のアプローチを行えば、商談につながりやすくなります。
たとえば、業務効率について課題を感じているという回答をした人に対しては、業務効率が改善できるような製品やサービスの提案を行うことで商談へ誘導ができます。
一方で、導入を検討しているが他社製品にも興味があると回答をした人に対しては、他社製品と比較した資料を用意したり、割引やキャンペーンの案内をすれば興味をもってもらいやすいでしょう。
見込み客に適した提案を行うためにも、ニーズや課題の把握は重要です。
2.展示会のアンケートは重要?
アンケートの実施目的は上記の項目で解説しましたが、展示会後に来場者に対して質の高いフォローアップを行なうためにも、アンケートは重要です。
展示会には多くの人が足を運ぶため、すべての顧客に同じ時間を割けるとは限りません。
細かなヒアリングを行えなかった顧客が、確度の高い見込み客である場合も考えられます。
また、展示会のスタッフがヒアリングを行う場合、本人の力量によっては必要な情報を引き出せない可能性もあります。
会話量やスタッフの力量の差を埋めてくれるのがアンケートであり、必要な情報をもれなく把握できるだけでなく、回答内容をもとに展示会後に迅速なフォローアップが可能になります。
ニーズや課題などの他にも、フォローアップに必要な内容があればアンケートの項目に入れると良いでしょう。
- 製品やサービスに対する意見や感想
- 企業イメージ
- 競合他社製品の使用頻度や理由
- サービス導入の決め手になるポイント など
上記のような内容を把握することで、フォローアップだけでなく、今後の製品開発や自社のマーケティングにも活かせます。
対象が一般の顧客(BtoC)の場合、製品やサービスに対する不満や課題などマイナス面を直接伝えることに抵抗を感じる人は少なくありません。
しかし、アンケートならば率直な意見を聞くこともできるでしょう。
選択方式の設問であれば、製品やサービスに対してマイナスの評価を抱いていた場合でも比較的回答がしやすくなります。
- 5段階で評価してもらう
- 「満足」「普通」「不満」などの項目から選んでもらう など
また、その理由も予想がつく場合はいくつか選択肢を用意しておくことで回答しやすいアンケートになります。
一般の顧客の率直な意見を取り入れることで、より顧客が満足できる製品やサービスの開発につながるでしょう。
展示会後の営業活動を質の高いものにするためにもアンケートの活用は重要です。
3.展示会アンケート制作の流れ
ここでは、展示会のアンケート制作の流れについて解説をします。制作の流れは以下のとおりです。
- 目的を明確にする
- 見込み顧客のセグメント分けの定義を決める
- 知りたい項目をリストアップ
- 設問の作成
①目的明確にする
アンケートの具体的な内容を決めるためには、展示会出展の目的・目標を明確にすることが重要です。アンケートは展示会後に営業を行う上で効果的な方法ですが、すべての目標を達成するのに向いているわけではありません。
たとえば、以下のような目的で出展する場合は、必ずしもアンケートは必要ではないでしょう。
- 製品や企業の認知を拡大したい
- 既存顧客との関係性を強化したい
上記のような目的に対しては他のアプローチの検討も必要です。
一方で、以下のような目的で出展する場合にはアンケートが有効でしょう。
- 新規リードを獲得したい
- 新規の商談を獲得したい
- ユーザーニーズを把握したい
②見込み顧客のセグメント分けの定義を決める
展示会後、来場者に効率よくフォローアップを行うためには、あらかじめ見込み顧客のセグメント分けの定義を決める必要があります。
展示会には多くの来場者が訪れるため、営業の優先順位を明確にするのが重要です。
たとえば、回答を元に以下のようなセグメント分けをすると良いでしょう。
- 確度の高い見込み客
- まだ確度は高くない見込み客
- 確度が低い見込み客
設問の中で、「商談を希望する」や「すぐに導入予定」などの項目にチェックがある場合は、確度の高い見込み客と考えられるため、優先的にフォローアップを行いましょう。
一方で、「商談の希望はない」や「導入予定はない」などの項目にチェックがある場合は、確度の低い見込み客であると想定されるため、フォローアップの優先度を下げることが可能です。
③知りたい項目をリストアップ
内容に偏りを出さないためには、先に知りたい項目をリストアップするのが重要です。
設問を先に作成してしまうと、特定の項目に偏った内容になってしまう可能性があります。
そのため、以下の例のような項目をあらかじめリストアップしましょう。
- 展示会に参加した目的
- 現状の課題
- サービスの検討段階
- 導入予定の時期
- 商談やデモの希望
- 興味のある機能 など
項目をリストアップしてから選択することでアンケート全体に一貫性を持たせることも可能です。
一貫性のあるアンケートの場合、回答者の意見がまとまりやすくなるため、より有益なデータを得られるでしょう。
④設問の作成
リストアップした知りたい項目をもとに、設問を作成します。回答者の負担を減らすような設問の作成が重要です。
設問を作成する際のポイントは次の項目で解説していますので、参考にしてみてください。
4.アンケート設問制作のポイント
ここでは、アンケートの設問を制作する際のポイントについて解説をします。制作のポイントを押えて、回答率の高い効果的なアンケートを作成しましょう。 アンケート設問の制作ポイントは、以下のとおりです。
- 回答項目が多い、記述式の回答項目は避ける
- BANTに沿って設問を考える
- 設問の数は15問以内にする
回答項目が多い、記述式の回答項目は避ける
設問が多かったり記述式の設問が多い場合は、来場者の負担が大きく、きちんとした回答を得られない可能性があります。
来場者のほとんどは多くのブースに足を運ぶため、限られた時間で回答しなければなりません。そのため、来場者が負担に感じないよう、シンプルな選択方式のアンケートがおすすめです。
- 限定した数の回答項目
- 選択方式の回答項目
- 最低限の記述式回答
しかし、選択方式の場合、選択肢が少なすぎると正確なアンケートをとることが難しくなるため、十分な選択肢を用意しましょう。
また、選択肢に「その他」を用意すると網羅的な選択が可能です。
来場者の意見を具体的に得られる記述式は、回答者の負担にもなるため多くなり過ぎないように気をつけましょう。
BANTに沿って設問を考える
来場者へ効率よくアプローチを行うための優先づけの設問は、BANTに沿って考える必要があります。
※BANT・・・Budget(予算)
Authority(決裁権)
Needs(必要性)
Timeframe(導入時期)
BANTに沿った設問であれば、効率よく必要な情報を集められますが、決裁権や予算などを率直に聞いてしまうと失礼に感じるのでは・・・という恐れもあるでしょう。
たとえば、決裁権の有無を率直に尋ねるのではなく、部署名や役職名を記入する欄を設置することで自然に回答を得られます。
展示会後のフォローアップを効率よく行なうためには、来場者の優先づけが欠かせません。
BANTを活用して効率よく営業が行えるようにしましょう。
設問の数は15問以内にする
ある調査で、アンケートの設問が15個以上になると、離脱率があがったというデータがあります。
※参考:SurveyMonkey|Does adding one more question impact survey completion rate?
展示会のアンケートも同様に、設問数が多い場合途中で離脱されてしまい必要な情報が得られない可能性があります。15問でも設問が多いと感じる人は少なくないため、なるべく最小限の設問で情報を得られるようにしましょう。
ターゲットや製品、アンケートの目的にもよりますが「選択方式の設問を5〜7問」「記述方式の設問を1〜2問」ぐらいがおすすめです。
より多くの設問を設定して詳細に情報を把握したいと考えても、来場者が回答してくれなくては成果は得られません。来場者が負担にならない最低限の設問数を意識しましょう。
5.展示会アンケートの例文
ここでは、展示会のアンケートの例文を紹介します。 例文を参考にしながら、自社の展示会出展の目的にあったアンケートを作成しましょう。
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- 冒頭部分
本日は弊社ブースにお立ち寄りいただき誠にありがとうございました。
恐れ入りますが、以下アンケートにご協力をお願いいたします。
- 担当者情報 ※名刺交換する場合は簡易でもOK
・会社名
・部署名
・役職名
・氏名
・電話番号
・E-mail
- ブースにお立ち寄りいただいた目的はなんですか?
・情報収集のため
・導入を検討したいるため
・既にお取引がある
・その他( )
- 「導入を検討している」と回答された方へ。導入予定時期をお選びください
・3ヶ月以内
・半年以内
・1年以内
・未定
- 興味のあるサービスをお選びください(複数選択可)
・サービスA
・サービスB
・サービスC
- 貴社が抱える課題はなんですか?
・売上拡大
・原価低減
・業務効率化
・顧客獲得
・その他( )
- 弊社からお届けする情報で希望するものをお選びください
・セミナー案内
・事例集
・製品の活用方法
・その他( )
- 本日ご紹介したサービスのご要望についてお選びください
・見積もり
・デモ/トライアル
・商談
・その他( )
- ご意見やご要望があればご記入ください
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上記の例文を参考に、展示会後のフォローアップに活かせるアンケートを作成してみてください。
6.まとめ
ここまで、展示会アンケートやその制作方法とポイントについて解説をしました。展示会のアンケートは、展示会の来場者の見込み度合いや課題、ニーズを把握する際に有効です。
回答をもとに展示会後のフォローアップの優先度を決めたり、今後の商品開発に活かすこともできます。
アンケートを制作する際は、来場者の負担が大きくならないように最低限の項目で簡潔に答えられる設問を意識しましょう。
BANTに沿って設問を考えることで、来場者の優先づけが行いやすくなります。これから展示会アンケートを作成する方は、ぜひこの記事を参考に効果的なアンケートを作成してみてください。
