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コラム
集客できる展示会ブースのレイアウトについて徹底解説
展示会においてブースは企業の顔であり、普段お世話になっているお客様や、自社やブランドのことを初めて知る来場者など、顧客との接点を持てる重要な空間です。
せっかく出展するからには多くの顧客と接点を持ちその後につなげたいものです。
できるだけ多くの人にブースに訪れてもらうためには、会場内での立地や来場者の動線を意識したレイアウトが重要です。
この記事では、展示会ブースにおけるレイアウトの重要性と押さえるべきポイントを分かりやすく解説します。
あわせて展示会ブースレイアウト事例5選もご紹介しますので、魅力的なブース作りにお役立てください。
1.展示会ブースのレイアウトとは?
出展する商品やサービスによっても効果的な魅せ方が違うことを確認しておきましょう。
展示会におけるブースレイアウトは、主に以下の4つに分類されます。
名称 |
特徴 |
商談型ブース |
椅子とテーブルを配置し、顧客との対話スペースを十分に確保したブース |
商品展示型ブース |
商品のディスプレイを中心とした、店舗のようなブース |
セミナー型ブース |
椅子を並べ、プロジェクターなどを用いて司会が商品やサービスの説明中心にしたブース |
体験型ブース |
商品やサービスを実体験できるスペースを中心としたブース |
自社の出展商品やターゲットに適したブースのタイプが決まったら、細かな条件を考慮したうえで具体的なレイアウトを決めます。
特にブースの立地や広さはレイアウトを決めるうえで重要なポイントです。
例えば、同じ商品展示型のブースのレイアウトであっても、会場の入り口に近い位置なのか奥なのか、1小間(コマ:1小間は通常3m×3mのスペース)か2小間なのかでも集客効果を最大化できるレイアウトは全く違うからです。
さらに、前回出展時に盛況だったブースのレイアウトを今年もそのまま採用したからといって上手くいくわけではありません。
出展商品やターゲット、立地、広さなど様々な条件を反映させて決めていくのが"展示会ブースのレイアウト"です。
2.展示会ブースのレイアウトは重要?
良い製品やサービスを出展するとレイアウトに関係なく成果は上がるのかといえば、そうではありません。
良い商品であることは重要ですが、自社のブースに足を運んでもらい、商品やサービスの良いところを見てもらうために、ブースのレイアウトを十分に検討すべきです。
ここからは、ブースレイアウトの重要性について見ていきましょう。
集客効果を左右する
ブースのレイアウトは、集客効果に大きく影響します。
例えば「入口をメインの通路側に配置する」か、「人通りの少ない方に配置する」かで、ブースへ足を踏み入れる来場者の数に違いが出ることは想像がつくでしょう。
商品の展示に関しても、来場者の動線や目線を意識することで注目度が変わります。
会場内でのブースの立地や来場者の動線を考慮して入口やディスプレイを配置することで集客効果が変わるため、ブース作りにおいてレイアウトは非常に重要なポイントです。
ブース内の顧客行動に影響する
ブースのレイアウトによって、訪れた来場者の行動も変わってきます。
例えば、隣の机との距離が近くてガヤガヤした商談型ブースでは、来場者は落ち着いて相談ができず、内容の薄い商談になってしまう可能性があります。
展示型や体験型のブースであっても、レイアウトによって展示品の見やすさや居心地の良さが変わり、ブースでの滞留時間に影響するでしょう。
展示品が見やすく、かつ過ごしやすいレイアウトを意識することで来場者のブース滞留率が上がり、商品への興味・理解も深まることが期待できます。
3.集客につながる展示会ブースのレイアウトのポイント
ここからは、具体的なレイアウトのポイントについて解説します。
スペースの確保は十分に
前提として、どんな出展商品であっても窮屈なブースは好ましくありません。
ブースに訪れたお客様が、他の来場者と適度に距離を取って展示物を見ることができるスペースを確保しましょう。
仮に1小間のブースであったとしても、なるべく広い空間を作ることが重要です。
ブースが広いと、それだけ多くのお客様を呼び込めるという利点もあります。
ただし、予算も必要になる点と、広すぎると閑散として見える点に注意して、出展商品や必要なアイテムとのバランスも考えましょう。
ブースの中が見えるようにレイアウトする
集客効果を高めるためには、通路からブース内が見えるようにレイアウトすることもポイントのひとつです。
ブース内の展示物やキャッチコピーの掲示が視界に入ることで、会場内を回遊する来場者の注意を引くことができます。
また、ブース内に人が集まっている様子が見えると、来場者は
「人気があるブースなんだな。」
「何が展示されているんだろう…?」
と、興味をかき立てられ、見てみたい、立ち寄りたいという気持ちになります。
”人を見せるレイアウト”で、”人を集めるブース”を作るのです。
動線の確保
ブースレイアウトにおいて、動線を計算することは非常に重要です。
展示会において、考慮すべき動線は以下の二つです。
- 通路からブースへの動線
- ブースの入口から出口への動線
それぞれについて確認しておきましょう。
お客様を中に引き入れる動線を心がける
まず、ブースに立ち寄ってもらうためには、通路からスムーズにブースに入れることが大切です。
例えば、来場者が展示品に興味を持ったとしても間口いっぱいに展示台が並び、入口が狭かったり、入口が回り込んだ場所にあったりすると、来場者の「見たい」気持ちは他のブースに移ってしまいます。
来場者が自社の展示品やキャッチコピーに興味を持った瞬間に、すぐにブースに入れるようなレイアウトが理想です。
入口と出口の動線を明確にする
入口から出口への動線を分かりやすくレイアウトすることも意識しましょう。
前述したように、通路から展示物や看板などをキッカケに入口に誘導した後は、ブース内を自然に回遊して出口へ向かえる空間を作ります。
通路を広くとり、商品を時系列で展示したり案内板を提示したりといった、来訪客の意識が出口の方向にスムーズに移るような工夫が有効です。
自社らしい目を引くデザインのブースにする
多くのお客様に来ていただくためには、それだけブースに興味を持ってもらう必要があります。
ブースのレイアウトが決まれば、競合企業との差別化を図るため、自社らしさを取り入れたデザインで来場者の目を引くブースを目指しましょう。
自社のロゴやテーマカラーを採用すると社名や企業イメージが印象に残りますし、イメージキャラクターがある場合、それをアイキャッチにすると訴求力が高まります。
来場者の目を引くブースデザインに関しては、こちらでも詳しく解説しています。
>>【集客を成功させる】展示会ブースデザインのポイントや種類を詳しく解説!
展示は一番売れている商品に
展示会は多くの人に自社の商品を売り込むチャンスです。
しかし、せっかく出展するのだから…と既存商品や新製品などを何でもかんでも展示するのは逆効果です。
多種多様なもので溢れたブースは、来場者から見るとおすすめの商品が分かりにくく、結果として商品の価値や魅力が伝わりづらくなってしまいます。
出展商品は、出展の目的と展示会における自社のターゲット層に最も需要があるものを選定することが大切です。
一番売れている商品は、一番需要がある商品です。
展示会のテーマに沿った商品で、一番売れているものに的を絞ってアピールしましょう。
AIDMAの法則を意識する
AIDMA(アイドマ)の法則とは、消費者が商品を認知して購入するまでの行動プロセスを表しています。
- A:Attention(注目)
- I :Interest(興味)
- D:Desire(欲求)
- M:Memory(記憶)
- A:Action(行動)
来場者を商品に「注目」させて「興味」を持ってもらい、「欲しい」と思わせる。
そのために出展商品を目立たせるレイアウトや、効果的に魅力を伝えられる工夫を意識する必要があります。
最終的にブースを訪れた来場者に自社の商品を覚えてもらい、導入(購入)してもらってお客様になって貰うのです。
商品の詳しい説明を行うスタッフの配置や、理解を深めることができる資料や案内動画なども重要なポイントです。AIDMAの法則を意識し、来場者の感情に訴えるブース作りを目指しましょう。
4.展示会ブースレイアウト事例5選
ここからは、展示会ブースレイアウトの事例を5つご紹介します。
株式会社エクセディ
https://www.kbinfo.co.jp/tensapo/results/1279616_13249.html
展示会 |
人とくるまのテクノロジー展2022 横浜 |
会場 |
パシフィコ横浜 |
広さ |
54㎡ |
クライアント出展目的 |
取り扱い商材の拡販及び認知拡大 新製品(新技術)のPR 一般来場者及び学生等に対する企業PR |
社名を大きくデザインしたエクセディのブースは、電気自動車の展示が印象的な広々とした空間に仕上がりました。
業界関係者や技術者だけでなく一般客の来場も多い「人とくるまのテクノロジー展2022 横浜」なので、専門的な製品の展示の充実と視覚的なインパクトを両立させています。
来訪客同士が十分な距離をとれる商品展示型ブースです。
裏にも社名を大きく配置して、視認性を高めました。
新虎興産株式会社
https://www.kbinfo.co.jp/tensapo/results/1315407_13249.html
展示会 |
九州インフラ技術産業EXPO 2022 |
会場 |
マリンメッセ福岡 |
広さ |
27㎡ |
クライアント出展目的 |
サービスの認知拡大 新規リード獲得 |
新虎興産の企業カラーである青を採用し、HPやパンフレットとも統一感をもたせたブースで企業ブランディングを図ります。
通路に面した位置にインフォメーションを置き、スムーズな顧客対応を可能にします。
ジオラマ模型はサービスの理解を深めるとともに、アイキャッチとしても有効活用。
テイカ株式会社
https://www.kbinfo.co.jp/tensapo/results/1279642_13249.html
展示会 |
CITE JAPAN 2021(第10回 化粧品産業技術展) |
会場 |
パシフィコ横浜 |
広さ |
108㎡ |
クライアント出展目的 |
新製品のPR 従来製品のPR |
12小間という広い空間を活かしたテイカのブースは、会場レイアウトをもとに来場者動線を考慮し、全方向からのアプローチを可能にしました。
社名は全方向に配置し、ロゴのフォルムを意識したブースデザインでブランディングを図ります。
ブース内の視認性も高く、集客効果が見込めるブースになっています。
シオノギファーマ株式会社 & Pharmira株式会社
https://www.kbinfo.co.jp/tensapo/results/1279625_13249.html
展示会 |
CPhI Japan 2022 |
会場 |
東京ビッグサイト |
広さ |
69㎡ |
クライアント出展目的 |
事業PR 認知拡大・拡販 新会社PR |
シオノギファーマと、子会社であるPharmiraの合同ブースです。
上の空間を有効活用したインパクトのあるデザインで、ドーナツ型の看板は遠くからでも目を引きます。
ブース内の視認性を意識した、見通しの良いセミナー型のブースです。
企業カラーである赤を基調とし、統一感のある佇まいに仕上がっています。
商談スペースは他の顧客やセミナースペースともしっかりと区切られ、落ち着いて相談が可能です。
株式会社ゼネックデータソリューションズ
https://www.kbinfo.co.jp/tensapo/results/1279672_13249.html
展示会 |
5G/IoT展(放送・通信Week) |
会場 |
千葉幕張メッセ |
広さ |
54㎡ |
クライアント出展目的 |
サービスの認知拡大・拡販 協力企業との接点機会創出 |
ゼネックのブースは自社のオリジナルキャラクターである「ゼネっくま」をアイキャッチにし、会場内でのプレゼンス向上を図りました。
グラフィックを活用し、一口で説明できない商品の訴求を視覚で分かりやすく表現。
内部の視認性が高く、十分なスペースを確保した開放感のあるブースです。
5.まとめ
ここまで、展示会ブースについてレイアウトの重要性や、集客につながるレイアウトのポイントなどについて解説しました。
ブースのレイアウトは、集客効果だけでなく展示品の見え方や企業のイメージにも影響します。レイアウトのポイントを押さえ、多くのお客様に立ち寄ってもらえる魅力あるブースを作りましょう。
