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【例文つき】展示会の案内状を作成する際のマナーや例文を解説
顧客や取引先など、さまざまな場面で「案内状」を送ることがあります。案内状は相手とのコミュニケーションのひとつであるとともに、自社に注目してもらうための手段ともいえます。
本記事では展示会の案内状を作成する際のマナーやより効果的な案内状にするためのポイントについてご紹介します。
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【CONTENTS】
1.展示会の案内状とは
そもそも案内状とはどのようなものか、その概要や目的などを説明します。
一口に案内状といっても、今回のテーマである展示会へ向けたものだけでなく、パーティーや会議など状況はさまざまです。
何に対する案内状なのかによって、記載する内容はもちろん、送る目的や相手なども大きく変わります。
今回は、展示会に対する案内状をテーマに確認していきましょう。
概要
案内状は普段から関わりのある契約先や顧客などに予めお知らせすることで、展示会へ来場してもらうための大切な手段です。相手にも予定がありますし、展示会に行く時間を確保してもらうためには、前もってお知らせしておく必要があります。
目的
案内状の最大の目的は自社が展示会に出展することを知ってもらい、展示会に足を運んでもらうことです。そのためには、展示会へ行きたいと思えるような興味が湧く案内状を送る必要があります。
例えば、新製品が展示される・実際に使ってみたい製品のデモ体験ができるなど、ニーズに応えられる展示会を開催する旨を伝えます。
「この展示会に参加すれば、これだけの収穫を得られます」という魅力を記載しましょう。
2.展示会の案内状を送るときのマナー
展示会の案内状がどのようなものかを把握した後は、具体的な送る際のマナーや注意すべきことについて解説します。ここでは一般的なマナーをご説明しますが、相手によっては例外もあります。臨機応変に対応できるように、まずは基本を把握しましょう。
展示会会場や日程はわかりやすく記載する
大前提として、展示会会場や日程はわかりやすく記載しましょう。会場や日程といった基本的な情報は最も大切です。
より詳しい情報を送りたいときは、案内状そのものにたくさん記載するのではなく、展示会の宣伝チラシやサイト、GoogleマップのURL、QRコードなどを添付すると親切です。
案内状の送付は開催3週間前が目途
先方が十分に余裕を持って予定を組めるよう、開催日の3週間前くらいに案内状を送ります。早すぎると相手が忘れてしまう可能性があり、逆に直前だと既に予定が入っていることがあります。
また、会場から遠いところに住んでいる方は、ホテルや飛行機、新幹線など交通手段を確保する必要があります。繁忙期や連休と重なる場合は、予約が取りにくいことも考えられます。
基本は3週間前が一般的ですが、会場との距離をみて、状況によっては1か月~1か月半前くらい前にお知らせするのもよいでしょう。臨機応変に案内できるように、案内状を送る人のリスト化や情報の整理を行っておくことも大切です。
メールで送付する
以前は紙媒体で送ることが主流でしたが、デジタル化が進んだことでメールでのやり取りが一般的になりました。これは案内状に限らず、先方とのやり取りはメールが主です。
しかし、顧客が高齢の方であったり、特に注力している見込み顧客や既存顧客に来場してほしい場合には、メールだけではなく、手紙で直接案内状を送った方がよい場合もあります。 ターゲットや顧客との関係性を考慮して、メールまたは手紙のどちらで送る方がよいのかを判断して送りましょう。
送る際は直接メールに詳細を記載する、または案内状をPDFなどのファイルで添付して送ります。直接メール本文へ詳細を記載するのも良いですが、PDF形式にしておくと、先方がプリントアウトして社内で掲示したり、配布したりする場合に便利でおすすめです。
3.展示会の案内状を作成するポイント
展示会の案内状を作成する際のポイントをご紹介します。より相手が展示会に参加したいと思ってもらえるような魅力をアピールするためのコツを確認してみてください。
展示内容を記載する
展示会における自社の「展示内容」を記載しましょう。これは案内状において重要な部分です。
今回の展示会ではどのような情報を発信するのか、どのようなことが行われるのか、といった展示物の具体的な内容を記載します。
展示会に参加する方は時間に限りがあるため、何かしら目的を定めていることが多く、その目的を満たすブースに目星を付けて効率よく参加する傾向にあります。そのため、予めどのようなことをするのか把握でき、かつ顧客のニーズに応えられる内容であれば、展示会に来てくれる可能性が高まるでしょう。
来場特典など来場することへのメリットを記載する
中には明確な目的はないものの、参加して興味のあるものを探そうとする方もいます。そういった方を集客するために、自社ブースに来ることへのメリットを記載します。
例えば、試供品や特典などを用意したり、実際に製品を体験できるコーナーを設けたりするなど、展示会ブースに来ないと得られない成果(情報や物)について記載することで、展示会への参加意欲を高めることにつながります。
案内状メールに自社HPのURLを記載する
案内状はわかりやすく、端的にまとめるのが理想的です。あれもこれも丁寧に説明したくなってしまいますが、あくまで案内するためのものです。
しかし、展示会の魅力や自社のアピールとしてはやや物足りないと感じる場合は、すべて文章として記載するのではなく、自社HPや補足資料のPDFなどのURLを記載することで補いましょう。
文章で送るよりも、HPのURLや別資料から自社の概要や製品の前情報がわかる方が伝わりやすいです。
4Uを意識して制作をする
4Uとはセールスライティングで用いられる4つの原則をいいます。
具体的には、独自性(Unique)・有益性(Useful)・緊急性(Urgent)・超具体性(Ultra specific)のことをいい、これらの条件に当てはまるように意識して制作すると、非常にわかりやすい案内状になります。
しかし、必ずしも全てを盛り込むことが可能とは限りません。状況によっては入れられない項目もあるかもしれません。できる限り意識して、言葉選びやアピール方法を考えるだけでもかなり案内状の印象は変化します。
- 独自性(Unique):ありふれた形式ばったものではなく、自社らしいポイントを含めるとより印象に残るものになる。
- 有益性(Useful):展示会に来場することで得られる情報や特典など、来場者が得られる魅力的なメリットをアピールする。
- 緊急性(Urgent):1日だけの限定展示会であったり、人数限定の特別特典など、早めに来るべきという緊急性をアピールすると、優先的にブースに立ち寄ってくれる可能性が高くなる。
- 超具体性(Ultra specific):簡潔かつ分かりやすい超具体的な内容を入れることで、情報の信頼性が上がる。例えば数字やグラフなどの根拠に基づいたデータなどを入れるとよい。
展示会には多くの企業が参加するため、一人の相手に複数の案内状が届いている可能性があります。
他社よりも印象に残りかつ魅力的な点をアピールして、ブースに立ち寄りたくなる案内状を送ることで、他企業との差別化を図りましょう。
4.展示会の案内状の書き方と例文
ここまででお伝えした案内状のマナーやポイントを踏まえて、最後に案内状の書き方と例文をご紹介します。
今回はメールでPDFを送付する場合の例で例文を紹介します。
PDFを添付せずにメールへ直接詳細を記載する場合は、形式の調整や不要な部分(日付など)を適宜省略して作成してください。
①宛名・日付・会社名・差出人
本文を書き始める前に、以下を記載します。
- 宛名
- 日付
- 会社名
- 差出人(代表者名や担当営業名)
宛名は個人名や会社名、お客様各位といった全体を表す言葉が用いられることが多いです。日付が不明確な場合は「吉日」と記載しても構いません。また、差出人は会社の代表取締役や部署の長の名前を記載することが一般的です。
しかし、契約先などであれば契約を結んだ担当者の方がよい場合もあります。上司や担当者と確認を取り、差出人の名前を記載しましょう。
②タイトル|明確に書く
本文は最初にタイトルを明確に記載しましょう。受取人の中には日々たくさんの手紙やメールが届く方もいます。そのため、まず何に対する知らせなのかを明確にすることで、相手が素早く把握できます。
例えば、「○○展示会 出展のご案内」といった形で、展示会名を挙げて参加する旨を記載したり、「新型〇〇(製品名)の発表を兼ねた展示会参加のご案内」のように、実際に目玉となる製品名をタイトルに入れるのもよいです。
長すぎるタイトルは返ってわかりにくいものになるため、簡潔に20~25文字程度に留めましょう。
③本文|前文・主文・末文を意識する
案内状に限らず、さまざまな手紙を送る際には、前文・主文・末文と分けて書きます。またそれぞれが区切りとなるよう、改行すると読みやすい綺麗な形となります。
- 前文:出だしの挨拶。突然本題に入らずに、近況の報告や確認といったものを挟んで、内容に入りやすくする。
- 主文:手紙の本題。案内状の場合は展示会の開催について、アピールポイントや製品の概要、展示の内容などを記載する。
- 末文:手紙の最後の結びとして、相手への挨拶や心遣いを伝えて締める。
また、前文の始めには「拝啓」、末文の最後には「敬具」を付けるのが一般的です。場合によっては改まった表現として、謹啓や敬白といった表現が用いられる場合もあります。
主文は、たくさんアピールポイントがあるからといって、文章が長くなるのはおすすめできません。書ききれない部分はHPのURLまたはPDF資料で代替えしましょう。
④詳細|具体的な展示会の場所や日程は本文と分けて記載する
末文を記載後、「記」と記載した上で展示会そのものの具体的な情報を記載します。その際は展示会の日時、場所、問い合わせ先などを記載します。 さらに余裕がある場合は簡単な地図やGoogleマップのリンクを添付するとより親切です。
展示会案内状の例文
ここまでご説明したポイントを踏まえて、案内状本文の例文を記載します。
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令和〇年〇月吉日
お客様各位
株式会社▽▽▽
代表 ◇◇ ◇◇
○○〇展示会 出展のご案内
拝啓 猛暑が続く季節となりましたが、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、このたび弊社は「〇〇〇展示会」へ出展することとなりました。
△△の作業を自動化する最新機種「◇◇(サービス名)」を展示し、実演や体験会を行います。またお越しいただきました方には試供品として▽▽を贈呈いたします。
今後の商品検討にお役立ていただける情報を提供できると存じます。
ご多忙のところ大変恐縮ではありますが、この機会にぜひご来場くださいますようご案内申し上げます。
敬具
記
日時:令和◇年〇月▽日(月)
午前9時~午後5時まで
場所:東京都◇◇区▽▽ 〇〇ホール (弊社ブース位置 ×××)
問い合わせ先:弊社宣伝部
TEL 123-456-789
E-mail 〇〇〇@abc.co.jp
以上
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このように本文は前文・主文・末文に分け、端的に情報を伝えるようにしましょう。その他、宛名や展示会情報などの記載も忘れないようにしましょう。
5.まとめ
今回は展示会への招待状の書き方について解説しました。案内状を送る際のポイントは以下の通りです。
- 場所と日時は明確に記載
- 展示会の内容を詳しく記載
- 展示会に参加することのメリットを記載
- 書ききれない情報はHPやPDFのURLを記載することで補う
- 4Uを意識したわかりやすい内容にまとめる
今回お伝えしたものは基本的なマナーや例になります。 相手の立場に立って、どのような内容であれば興味をもってもらえるかを考えながら案内状を作成してみてください。
