2025年に全建築物「省エネ基準への適合義務化」へ
※ 2022年7月8日情報更新(2022年1月25日当コラム公開) ※
改正建築物省エネ法が、2022年6月13日に参議院本会議で可決・成立。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、建築物分野での省エネ対策を加速。
2025年、全建築物の省エネ基準への適合が義務化
国土交通省は、脱炭素社会の実現にむけ、今後の住宅・建築物について 「省エネ対策の加速(新築・既築)」「木材の利用促進」などの観点から、省エネルギー対策と建築基準制度の見直しを進めていくと発表しています。
そのうちの「省エネ対策の加速」として、「2025年度以降に新築する全建築物に省エネ基準への適合を義務付ける」と発表されています。
現行法では、延べ床面積300㎡以上の中規模・大規模建築物(非住宅)までが、省エネ基準への適合義務対象となっておりますが、2025年度以降からは、小規模建築物(非住宅)や住宅についても対象となります。
なお、それに伴い省エネ基準への適合確認が容易な場合(仕様基準)は省エネ適判が不要となり、義務化に伴う負担が軽減され、あわせて仕様基準の更なる簡素化・合理化を進める方針が打ち出されています。
(参照HP)
- 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律について(2022.6.22・国交省)
- 「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方及び建築基準制度のあり方について」(2022.2.1・国交省)
【図】省エネ基準義務化の段階的な適用拡大について

※「改正建築物省エネ法オンライン講座テキスト」「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」(国交省)を参考に作成
【図】脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案の概要
(1)省エネ対策の加速 | 省エネ性能の底上げ・より高い省エネ性能への誘導 | 全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付け |
トップランナー制度(大手事業者による段階的な性能向上)の拡充 | ||
販売・賃貸時における省エネ性能表示の推進 | ||
ストックの省エネ改修や再エネ設備の導入促進 | 住宅の省エネ改修に対する住宅金融支援機構による低利融資制度を創設 | |
市町村が定める再エネ利用促進区域内について、建築士から建築主へ再エネ設備の導入効果の説明義務を導入 | ||
省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化 | ||
(2)木材利用の促進 | 防火規制の合理化 | 大規模建築物について、大断面材を活用した建築物全体の木造化や、防火区画を活用した部分的な木造化を可能とする |
防火規制上、別棟扱いを認め、低層部分の木造化を可能に | ||
構造規制の合理化 | 二級建築士でも行える簡易な構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の範囲の拡大 等 | |
(3)その他 | 省エネ基準等に係る適合性チェックの仕組みを整備 等 |
※「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」(国交省)を参考に作成
更に2030年、2050年、段階的に省エネ基準の引き上げへ
その先には、「2030 年度以降、新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」、更に「2050 年に、住宅・建築物のストック平均で ZEH・ZEB 基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指す」といった方針が発表されています。
「ZEH・ZEB基準」は従来の「省エネ基準」より厳しいものになるため、2025年度よりも、2030年度、更に2050年度からはさらに厳しく引き上げられるということになります。将来的にも、建築物の省エネ性能はより高いものが求められる時代へとなっていきます。
(参照HP)
- 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅・建築物の対策をとりまとめ~「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」の公表 ~(国交省)
- 「省エネ対策等のあり方・進め方に関するロードマップ」(2021.8.23・国交省・経産省・環境省)
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