\解説/ 改正建築物省エネ法〈vol.5〉 説明義務(2)「説明や評価で使えるTIPS 集①」
前回のKBI省エネサポーターのコラム \解説/ 改正建築物省エネ法シリーズ では、「説明義務制度の4STEP」について解説いたしました。今回は「説明や評価で使えるTIPS集」として「設計した建物が省エネ基準に適合していない場合に、省エネ性能を確保するための具体例」をご紹介いたします!
(1)建材や設備の変更による方法
まずは、使用している建材や設備の変更による方法のご紹介です。建築物の省エネ性能を高める上で、外皮性能を高める(屋根や外壁、窓などの断熱性能を向上させる)ことは有効な方法の一つです。これにより主に暖房負荷が低減され、一次エネルギーの消費量が減少します。
断熱性能を高める方法
●同じ種類の断熱材を使用して、性能が高くなるように変更する。
(例)外壁に使用している断熱材の厚さを〇〇mmから■■mmに大きくする。
●断熱性能の高い、別の種類の断熱材に変更する。
(例)外壁に使用している断熱材を商品Aから商品Bに変更する。
●断熱性能の高い窓に変更する
(例)1階のリビングに設置された窓を商品Cから商品Dに変更する。
日射遮蔽性能を高める方法
●日射遮蔽性能の高い窓に変更する
(例)1階のリビングに設置された窓を商品Aから商品Bに変更する。
●ひさしを設置する
(例)1階のリビングに設置された窓にひさしを設置する。
一次エネルギー消費効率を高める方法
●エネルギー消費効率の高い給湯設備に変更する
(例)従来型給湯器を潜熱回収型給湯器に変更する。
●エネルギー消費効率の高い照明設備に変更する
(例)白熱灯をLEDに変更する。
●再生可能エネルギーを利用する。
(例)太陽光発電設備を設置する。
既存の住宅・建築物を増改築する際の方法
●既存部分の外皮の省エネ改修
(例)既存部分の外壁の断熱改修を行う。
●既存部分の設備の省エネ改修
(例)既存部分の高効率な空調設備に入れ替える。
(2)精度の高い計算の実施
次に、計算方法の変更による方法のご紹介です。同じ規模、仕様の建物でも、精度の高い計算方法を実施することで、より省エネ性能を高く評価できる可能性があります。これは、簡便な計算方法は計算結果が安全側(=エネルギー消費量の多い側)になるようにできているからです。
計算方法が簡便な分、デメリットもあるという事ですね。もし、詳細な計算ルートが分からない!という方がいらっしゃれば、お気軽に「省エネサポーター」までお問い合わせください。
●精度の高い計算方法に変更する。
(例)モデル住宅法ではなく、より詳細な標準計算ルートや簡易計算ルート(※)で計算する。(※住宅の外皮の面積等を用いずに外皮性能を評価する方法)

※国土交通省「改正建築物省エネ法オンライン講座テキスト」を参考に作成
<図 省エネ基準に基づく評価方法の概要比較(戸建住宅)>
おわりに
以上で「説明や評価で使えるTIPS集①」とさせていただきます。いかがでしたでしょうか。
次回は「説明義務制度(3)」として、「説明や評価で使えるTIPS集②」を予定しております。
上記に関わらず、省エネ計算に関することで、ご質問等がございましたら、お気軽にKBI省エネサポーターにお問合わせください。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
↓↓↓ KBI省エネサポーターのサイトはこちら ↓↓↓