\解説/ 改正建築物省エネ法〈vol.4〉 説明義務(1)「説明義務制度の4STEP」
KBI省エネサポーターのコラム \解説/ 改正建築物省エネ法シリーズ では、前回までに概要編として改正建築物省エネ法の適合義務・届出義務・説明義務の3つの制度に関する抑えておきたいポイントなどについて解説してまいりました。
あわせて読みたい!前号までの \解説/ 改正建築物省エネ法シリーズ ~概要編~ |
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▶〈vol.1〉改正概要 | ▶〈vol.2〉適合義務・届出義務・説明義務の概要~手続きのフローやポイント~ | ▶〈vol.3〉支援事業、サポートツール、情報サイトをまとめました! |
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そして今回からは「説明義務 編」となり、数回に分けて説明義務制度について詳しく解説してまいります。初回となる今回は「説明義務①」として「説明義務制度の4STEP」について解説いたします!
説明義務制度のねらい
専門的な知見をもつ建築士から建築主に対しての説明を通じ、建築主の省エネに対する理解を促すとともに、自らが使用することとなる建物の省エネ性能を高めようとする気持ちを持ってもらうことにこの制度のねらいがあります。
説明義務制度とは?
300㎡未満の建築物(非住宅)・住宅の新築、増改築※を行う際、建築士から建築主に対し「①省エネ基準への適否」と「②省エネ基準に適合しない場合にはどのような措置を行えば適合するのか」について、書面を用いた説明を義務化するものです。
※2021年4月1日以降に建築士が設計委託を受けた建築物を対象とする。 ※300㎡未満の複合建築物も対象となる。 ※10㎡以下の建築物・住宅は適用除外。 ※畜舎、自動車車庫(居室を有しない、又は開放性を有することで空調の必要がない建築物)は適用除外。 ※文化財指定された建築物、仮設建築物は適用除外。 |
評価・説明の進め方「説明義務制度の4STEP」
ー 説明義務制度の4STEP ー

※国土交通省「改正建築物省エネ法オンライン講座テキスト」を参考に作成
STEP1:建築主への情報提供
建築物(非住宅)・住宅の省エネの必要性や効果に関する情報を提供します。
- 情報提供時には、当コラムvol.3「お役立ち情報その②」でご紹介した、国土交通省のチラシやリーフレット等を活用すると便利です。
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![]() 特に決まりはありませんが、建築主が希望する省エネ性能等は設計内容に大きく関係するため、事前相談の段階などできるだけ早い時期に行うとよいでしょう。STEP2 意思確認と一体的に行うことも可能です。 |
STEP2:建築主の意思確認
省エネ基準への評価・説明の要否についての意思を確認します。
- 評価とは、省エネ性能を計算した結果が省エネ基準に適合しているか否かの確認のことです。
- 建築主が評価説明を不要とした場合は、その旨を記載した書面「意思表明書面」を作成し、建築士法に基づく保存図書として15年間保存する必要があります。
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![]() 特に決まりはありませんが、評価や説明を行うタイミングなど設計のプロセスや、評価等に係る費用等にも関係するため、設計契約前の事前相談の段階や建築士法に基づく重要事項説明を行う際等、STEP1 情報提供と同時に行うなどできるだけ早い段階で行うことが重要です。 |
<図 建築主の「意思表明書面」の例 【裏面下部の破線枠内】>

(表面)

(裏面) ※国土交通省「改正建築物省エネ法オンライン講座テキスト」から引用
STEP3:省エネ性能を評価
建物の省エネ性能を計算(=省エネ計算)し、省エネ基準への適否を行います。
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![]() 実施設計がある程度進み、省エネ性能に影響する設計が概ねまとまった段階で行うことが考えられます。 |
STEP4:評価結果を建築主へ説明
省エネ基準への適否及び、省エネ基準に適合していない場合は省エネ性能確保のための措置について、「説明書面」にて説明します。
- 省エネ基準に適合していない場合、建築主は省エネ基準に適合させる努力義務があります。
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![]() 建築士からの評価結果の説明を踏まえて建築主が設計内容の変更を希望する場合も考えられることから、工事の着工までに余裕をもって行う必要があります。 |
<図 建築士から建築主への「説明書面」の例>

※国土交通省「改正建築物省エネ法オンライン講座テキスト」から引用
おわりに
以上で「説明義務制度の4STEP」の解説とさせていただきます。いかがでしたでしょうか。
次回は「説明義務(2)」として、「省エネ性能を高めるための具体的な措置の例」についてを予定しております。
上記に関わらず、省エネ計算に関することで、ご質問等がございましたら、お気軽にKBI省エネサポーターにお問合わせください。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
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