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【前編】業務フローを適切に改善するには?作成ポイントや改善方法を解説

組織規模の拡大に伴い、従来の業務体制では対応しきれない課題が生じることは珍しくありません。業務効率化や品質向上を実現するために、業務フローの見直しと改善は重要な経営課題です。
この記事では、業務フローの適切な作成方法から改善のポイントまで、実践的な手法を詳しく解説します。

【前編】業務フローを適切に改善するには?作成ポイントや改善方法を解説

そもそも業務フローとは

業務フローは、特定の業務における一連の作業の流れを図式化したものです。業務プロセス全体が複数の業務の連なりを示すのに対して、業務フローは単一の目的に沿った業務の流れを表します。

例えば、製造業における業務プロセスには「部材の仕入れ」「部品の加工」「組み立て」「品質検査」「梱包と出荷」といった一連の工程が含まれます。このプロセスの一部である「組み立て」工程における具体的な作業手順を詳細に示すのが業務フローです。

業務フローを作成することで、複雑な業務も視覚的に理解しやすく、関係者間での共通認識を促進することができます。

業務フローを作成・改善する目的

業務フローの作成・改善には、明確な目的と期待される効果があります。単なる業務の文書化ではなく、組織全体の生産性向上と品質安定化を実現するための重要な取り組みです。
ここでは、業務フローを作成・改善する主要な目的を詳しく解説します。

業務の流れを見える化するため

業務フローの作成は、個々の業務だけでなく、業務プロセス全体の可視化に不可欠です。
例えば、業務フローを作成して流れを見える化することにより、属人化が進んでいる、あるいは属人化するおそれがある工程を明らかにできます。業務の全体像が可視化されることで、新入社員の教育期間短縮や、担当者不在時における業務継続性の確保が実現します。

また、組織内の情報共有が進み、部署間の連携も円滑になるでしょう。経営陣にとっても、現場の状況把握がしやすい点も大きなメリットといえます。

業務の効率化のきっかけになるため

業務フローを可視化することで、現状の業務における課題やボトルネックが明確になります。これは、業務効率化に向けた具体的な改善策を検討する上で重要です。

例えば、特定の作業に過剰な時間を要したり、複数の部署間で情報入力が重複しているといった問題点が浮き彫りになるでしょう。さらに、RPAやCRMといったITツールや業務システムを導入する際、現状の業務フローが明確であれば、ツールの選定から導入後のスムーズな運用までを実現できます。

商品やサービスの品質向上につながるため

業務フローを作成・改善することで業務の標準化が促進され、結果として提供する商品やサービスの品質安定と向上が可能です。とくに顧客と直接やり取りを行う業務では、ミスの削減が顧客満足度の向上に直結します。
標準化された業務フローで作業ができると、担当者による品質のばらつきが解消され、安定した商品やサービスを提供できるようになるでしょう。また、品質管理の観点からも、どの工程で問題が発生しやすいかの把握できるため対策が立てやすくなります。

ミスが発生する確率や業務に伴うリスクを軽減するため

業務フローの明確化はミスの発生確率を低下させたり、業務を進めるうえで発生しうるリスクを軽減するために不可欠です。

業務フローが不明確なまま進行すると、担当者の経験や知識に依存した誤った判断や手順によるミスが生じやすくなります。しかし、フローが可視化されていることで、各ステップでの注意点や確認事項が明確になるため、ミスを未然に回避しやすくなるでしょう。

さらに、こうしたリスクを事前に把握し、トラブル発生時の適切な対応や回避策を共有することで、事業運営におけるリスクマネジメントを強化できます。

業務フローを正しく作成する手順

効果的な業務フローを作成するためには、体系的なアプローチが不可欠です。単発的な取り組みではなく、計画的かつ段階的に進めることで、実用性の高いフローが完成します。
ここでは、業務フロー作成の具体的な手順を解説します。

①業務フローを作成する目的を明確にする

業務フローの作成に着手する前に、その目的を明確にすることが最も重要です。

「業務の属人化を解消したい」「新人教育の効率化を図りたい」「特定の部署の残業時間を削減したい」など、具体的な目標を設定することで、作成時にどの部分に重点を置くべきか、どの程度の詳細が必要かはっきりします。

目的が曖昧なまま進めると、途中で方向性を見失ったり形骸化したフローになったりするおそれがあるため、最初の段階で関係者と目的を共有し明確化しておきましょう。

②業務フローに関係する従業員をリストアップする

業務フローの対象となる関係者を特定する時は、社内の担当者だけでなく、外部の協力会社、顧客、承認者など、関連するあらゆる個人や組織をリストアップすることが重要です。

特に間接的に関わる関係者を見落とさないよう注意が必要です。関係者の特定が不十分な場合、作成される業務フローが実際の業務と大きく乖離するリスクがあります。
そのため、それぞれの関係者の役割や責任範囲を明確にすることで、より実用性の高い業務フローの作成が可能になります。

③作業内容を明らかにする

話を聞ける関係者すべてに丁寧なヒアリングを実施し、業務手順や作業内容を詳細に洗い出します。現場担当者だけでなく、管理者や関連部署の意見も収集することが重要です。作業時間や頻度、使用するツールや資料、判断基準なども併せて確認するべきでしょう。

ヒアリング内容は文書化し、後で確認できるようにしておきます。また、例外的な処理や繁忙期の特別対応についても把握しておくことで、より実態に即したフローが完成します。
一度のヒアリングで終わらず、必要に応じて追加確認を行うことも大切です。

業務手順や作業内容を詳細に洗い出すためには、関係者に対してヒアリングを実施しましょう。現場担当者のみならず、管理者や関連部署からも意見を幅広く収集することが重要です。その際、作業時間や頻度、使用するツール、資料、判断基準なども確認しましょう。

ヒアリング内容は文書化し、後で確認できるよう整理しておくことが求められます。
また、例外的な処理や繁忙期の対応も把握することで、より実態に即した業務フローを構築できます。一度のヒアリングで完結させず、必要に応じて追加確認を行うことで、情報の精度を高めることが大切です。

④タスクを時系列と関係に沿って並べる

業務におけるタスクは時系列に沿って整理し、関係者間のやり取りを明確にします。
同時並行で進行する業務や、特別な顧客や状況によって判断を変更すべき場合の対応方法も明確に示すことが重要です。

また、タスク間の依存関係や前工程の完了を要する作業についても、視覚的に把握できるよう配慮します。例えば、見積書が作成できないと契約書の準備に取り掛かれないなど、タスク間の関係性を整理する必要があります。

フロー図の作成においては、一般的な記号やルールに則り、統一感を持たせることが求められます。完成したフローは関係者全員で確認し、実際の業務と照合することで精度を高めていきます。

業務フロー作成におけるポイント

実用性の高い業務フローを作成するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。適切な作成ルールに従うことで、誰もが理解しやすく活用しやすいフローが完成します。

使用する記号や字形は最小限にする

誰が見ても直感的に理解できるよう、使用する記号や字形は最小限に抑えることが重要です。

複雑な記号を多用すると、フローを読む際の負担が増加し実用性が低下してしまいます。

テキスト量を適切に調整し、業務の細かな作業手順については別途マニュアルで対応する方法が効果的です。一般的に使用される開始・終了、処理、判断、データなどの基本記号のみを使用します。記号の意味を統一し、組織内で共通認識を持つことも大切です。

シンプルで見やすいフローほど、現場での活用率が高くなります。

業務内容の粒度を揃える

業務フローを作成する際は、フロー内の業務内容の粒度を揃えることが重要です。
例えば、一つのフロー図の中に「資料作成」という大きな作業と、「ファイル名を変更する」という非常に細かい作業が混在していると、全体の流れが分かりにくくなります。

基本的には、プロセス単位や主要なタスク単位で記述し、細かい作業全てを書き起こす必要はありません。もし詳細な作業手順が必要な場合は、別の補助資料やマニュアルとして記載し、フロー図本体は全体像を把握しやすい粒度でまとめることを意識しましょう。

開始・終了時点を明確にする

1つの業務における開始と終了地点を明確にすることは、業務フロー作成の重要な目的の1つです。

どの関係者が起点と終点になるのかを明確にして、フロー図を作成します。開始条件や終了条件、成果物や次工程への引き継ぎ事項も併せて記載することで、業務の境界が明確になります。これにより、責任範囲が曖昧になることを防ぎ、スムーズな業務進行が可能となります。
また、業務の前後関係が把握しやすくなり、全体最適の観点から改善検討が行えるようになります。