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【連載SDGs:目標3】「すべての人に健康と福祉を」の企業経営における意味は

目次

 ・大阪・関西万博とSDGs 健康・長寿の時代へ
 ・SDGs目標3は、すべての人々に健康的な生活を
 ・健康をないがしろにする企業は選ばれない
 ・コロナ禍後の働き方は健康的な生活とともに
 ・SDGsとともに持続可能な企業になるため

大阪・関西万博とSDGs 健康・長寿の時代へ

2025年に開催される大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。人類にとって根本的な課題である「人類の健康・長寿への挑戦」を掲げています。
人生100年時代、ただ長生きするだけでなく、健康的に人生を送りたい。SDGsにおいても、こうした人類共通の願いに応えることは重要な課題のひとつとなっています。
大阪・関西万博は、大きな経済的効果が期待されるとともに、「健康と福祉」という、日本が目指すべき、次の時代のビジネスモデルの方向性を指し示すものにもなりそうです。

SDGs目標3は、すべての人々に健康的な生活を

SDGs目標3は、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」というものです。
もっと具体的には、世界的に妊産婦や新生児および5歳未満児の死亡率を大きく減らすことが目指されています(ターゲットの3.1、3.2)。あるいは、伝染病、感染症への対処も明記されています(3.3)
また、開発途上国におけるインフラの整備や医療サービスの充実を求め、先進国においても医療の地域格差などの解消、あわせて交通事故の死者数削減や薬物の乱用規制、アルコールの過剰摂取の防止を求めるなど、SDGsの目標3は幅広い範囲の様々な課題をカバーしています。

このほか企業などに関連するものとしては、精神保健及び福祉の促進も唱われています(3.4)。日本では若年層の自殺が死亡原因の上位となっており企業におけるメンタルヘルスケアも注目される要素のひとつです。さらには、今回のコロナ禍により、職場での感染症などへの対応が事業の継続性を含め、企業の評価を大きく左右しかねないということも改めて明確になってきています。

健康をないがしろにする企業は選ばれない

日本は世界でも優れた保健医療サービスを提供する国のひとつだと評価されており、実際に世界有数の長寿国にもなっています。
それでも職場での健康や福祉という点においては、働き方改革の展開はもちろん、健康維持増進の支援、あるいはメンタルヘルスおよび各種ハラスメントなどというように、依然として数多くの問題が存在しているのが現状です。それぞれの企業においては、福利厚生や保健関係の制度的な拡充とともに、現実的に職場と健康の関係における課題とその対応策を組織として常に捉え直していくことが求められているのです。
もちろん、このことは人材の定着率や新規採用などの局面で、企業評価にも大きく関係してくる重要な要素であることはご存じの通りです。

コロナ禍後の働き方は健康的な生活とともに

withコロナの社会で、IT環境の充実や業務の流れの見直しなど、企業におけるリモートワーク環境の整備も進みました。しかしその一方で、仕事のオンオフが不明確な状況が生じ、部内の帰属意識やコミュニケーション不足の問題など出てくるなど、職場環境に新しいストレス状況が生まれてきているのもまた事実でしょう。
今後は、皆が一丸となって目標達成に邁進するというようなかつて推奨された働き方だけでなく、風通しの良い関係性のもと、多様な価値観を持った人たちが、コミュニケーションをうまく取りながらよりフレキシブルに働くことが主流になっていくように思われます
その際に、どのようにして仕事のモチベーションを維持し、さらに生産性を上げていくのかが組織運営における重要な視点になってくると言えるでしょう。

SDGsとともに持続可能な企業になるため

事業活動において、共に働く人たちの健康や福祉を考えていくことについては、SDGsにヒントがいくつも見出されます。これからはSDGsを経営に取り込みながら、企業として何ができるのかということを具体的に再考することが必要とされています。
働き方は、今後ますます多様な形になっていき、それにつれて社内の風土や文化も常に変化していくでしょう。そうした変化に対応しながら、組織の改革を続けていくことが求められているわけです。
その際に、経営側としては、からだとこころが疲れた人を排除したり置き去りにしたりしないことが何よりも重要です。これは、企業は何のため、誰のためにあるのかという根本的な問題にもつながってくるものでしょう。まずは、企業で働く人々をはじめ、さまざまなステークホルダーから評価されることが肝要で、結局はそのことによって、はじめて企業が未来に存続していってもよい存在だと社会的に認められることにもなるからです

出典
外務省 JAPAN SDGs Action Platform  SDGグローバル指標(SDG Indicators)
「3: すべての人に健康と福祉を」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal3.html

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