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【連載SDGs:目標8】「働きがいも経済成長も」と企業の持続可能性

目次

 ・どんな仕事もエッセンシャル(必要不可欠)なもの
 ・「働きがい」と「経済成長」は、同時に目指すべき
 ・SDGs目標8は経済成長と人間らしい雇用を促進する
 ・SDGsは新しいビジネスモデルの構築を促す
 ・人材育成とともに企業の社会的価値の向上を目指す

どんな仕事もエッセンシャル(必要不可欠)なもの

社会的なインフラ関係など地域社会に不可欠な仕事に従事する人たちはエッセンシャルワーカーと言われます。いまはまだまだ収まったとは言えませんが、新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっていた時期には、特に医療従事者などに様々なかたちで社会的な応援や感謝の想いも示されてきました。一方で、その人たちの熱意や善意に頼るばかりでなく、現状ではその働きに応じた正当な待遇や報酬など、持続可能な環境を構築していくことが、さらに求められるべきなのは言うまでもないことでしょう。
同様に他の分野でも、およそ社会において意義を持つと自負する仕事であるならば、どんなものでもエッセンシャルでないものはないはずです。
いずれにせよ自分が従事する仕事が社会的な価値を持っているという自覚は、働く人間にとっては、とても大切なことだと思えるのです。

「働きがい」と「経済成長」は、同時に目指すべき

SDGs目標8は「働きがいとともに経済成長も」であり、仕事における「働きがい」と「経済成長」は、同時に目指すべきものだとされています。
これは企業としては、職場環境を整えながら、生産性の向上を図るべきだということになりますが、コロナ禍を契機として、リモートワークやデジタル化の推進にも拍車がかかる状況においては、各企業も次代に向けて新しい組織改革にチャレンジすべき段階にあるとも言えるでしょう。

SDGs目標8は経済成長と人間らしい雇用を促進する

SDGs目標8は、「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」というもので、このテーマのもとに12のターゲットが示されています。
12のターゲットでは、例えば「生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する…」(8.3)というように開発重視型の政策を促進する方向が示されています。
また「若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事」を求めるとともに「同一価値の労働についての同一賃金を達成する」ことも求められています(8.5)
さらに8.7では、「…あらゆる形態の児童労働を撲滅する」ことも唱っており、人権の問題にも注意が払われています。

SDGsは新しいビジネスモデルの構築を促す

SDGsは、環境保全および人権保護と経済成長をともに推進することを目指すものですが、これは同時に新しいビジネスのかたちの創造を促すものだとも言えそうです。
例えば、従来型の資源を大量に投入して、安価な商品を大量に生産するかたちだけではなく、資源を浪費せず、社会的に価値があるモノやサービスを生み出しながら、持続可能なかたちでの成長を目指すものです。
企業は、単に長く続いていけば良いのではないのは言うまでもありません。むしろ常に自己変革を遂げながら、新しいビジネスモデルの展開と次世代の人材育成によって、社会的に価値ある企業であり続ける道を探るべきだというわけです。

人材育成とともに企業の社会的価値の向上を目指す

現在「パーパス(Purpose)経営」という言葉が、次世代の経営モデルとして注目されていますが、SDGsへの対応を契機として今一度、自社の「存在意義(Purpose)」を見つめ直してみることも必要ではないでしょうか。企業の「存在意義」を捉え直し、その理念を確認することは、事業価値の再構築につながるものです。これを社内で共有し、同じ目的に向かって進んでいくことが、働きがいを生み出すことにもなるでしょう。
 やらされる仕事ではなくて、やりがいを感じることができる仕事ならば、職場は自己実現のひとつの場にもなるはずです。これは会社に個人の生活を縛り付けるものではなく、働き方改革やワーク・ライフ・バランスなどの考え方とも、決して矛盾するものではありません。
企業としては、フレキシブルで多様性に配慮した職場づくりや、デジタル化の推進など、クリエイティブな仕事に集中できるように環境を整えることも必要で、それによって、自分たちが持つ強みを深化させていくことが新しい事業展開を生み出していく、そのような好循環を創り出していくことが大切だと言えそうです。

 ※ディーセント・ワークとは、「権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事」を意味します。それはまた、全ての人が収入を得るのに十分な仕事があることです。
2009年国際労働機関(ILO)総会において提起されたもので、英語のdecentは「きちんとした」「適正な」といった意味。

参考:ILO駐日事務所ホームページ「ディーセント・ワーク」
ttps://www.ilo.org/tokyo/about-ilo/decent-work/lang–ja/index.htm
出典: 外務省 JAPAN SDGs Action Platform  SDGグローバル指標(SDG Indicators) 
「8: 働きがいも経済成長も」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal8.html


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