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【連載SDGs:目標14・15】「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」と企業と未来のために

 

目次

・環境の問題は人権の問題とつながっている
・持続可能な地球のために、企業としても貢献していく
・環境問題は、地域だけでなく地球規模でつながっている
・SDGsを企業経営に取り入れて,一歩ずつ進んでいくために

環境の問題は人権の問題とつながっている

今回のテーマは、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」と15「陸の豊かさも守ろう」です。これは言うまでもなく、世界中の人たちの努力で地球環境を守ろうというものですが、改めて感じるのは、SDGsは環境の問題であると同時に人権の問題であるということです。
SDGsは、世界のすべての人たちが、さらに未来の人たちのためにも、共同して取り組むべき課題であって、近い将来に世界から飢餓や貧困をなくし、ジェンダー平等を求め、持続可能な経済成長の道をぐっていくというものです。環境を守るということは、世界のすべての人が健康で幸福な暮らしを追求できることにつながっていて、それはSDGsの「だれ一人取り残されない」という理念のもとにあるものです。
 2023年1月に、世界を代表する政治家や実業家たちが一堂に会するダボス会議が開催されました。これは、スイスで毎年開かれる世界経済フォーラムの総会で、今回のテーマは「分断された世界における協力の姿」でしたが、特に食糧、エネルギー、気候という差し迫った危機への取り組みでの進展が見られたといいます。
 現状の世界では、ウクライナ侵攻など、いまだに武力で現状変更を進める動きも根強く存在しています。しかし、困難な問題にこそ、話し合いを通じて、たとえ少しずつでも解決策を探っていくという、ダボス会議のような動きもまた、世界では確実に進展しているのです。
この何年かでSDGsの目標がすべて達成できると考えるのは現実的でないとしても、先を見通すことが困難な時代の中で、私たちが一歩ずつでも進んで行くべき方向を指し示すのがSDGsなのです。

持続可能な地球のために、企業としても貢献していく

SDGsの目標のなかでも、14「海の豊かさを守ろう」と15「陸の豊かさも守ろう」は、私たち個々人の生活において、近年最も密接な問題として捉えられているものでしょう。
 まず目標14については、より詳細には、持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用するようにしようというもので、その範囲は、海洋汚染や海洋ゴミ対策、漁獲量の確保、海の生物多様性の保全、近海や沿岸地域の環境保全や回復など、実に幅広いものです。
ここ数年は、特に海洋でのマイクロプラスチックの増加が指摘され、そうした危機への対応は全世界的に大きなムーブメントにもなっています。日本でも、プラスチックストローの使用自粛やレジ袋の有料化が実施され、これは人々の環境意識の醸成にも大きく寄与していると言えるでしょう。

環境問題は、地域だけでなく地球規模でつながっている

一方、目標15のより詳しい内容は、陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失の阻止など、こちらも多岐にわたります。
森林減少を阻止し、劣化した森林を回復していくことは、やはり世界規模での対応が求められるもので、実際、日本でも森林の回復プロジェクトを実施している企業も多数見受けられます。また、木材の積極的な活用などによるCO2削減や、さらには木や紙類の使用にあたっては森林認証制度の活用なども推奨されています。あわせて、環境の維持・回復による生物多様性の保全は、食糧問題だけでなく、医薬品開発などの可能性を秘めた遺伝資源の保全にもつながるものです。
 こうした課題解決に向けては、やはり世界全体での協力体制が不可欠です。また、海の環境を守るために森を豊かにすることの意味も知られてきています。つまり、環境の問題は、地域だけでなく地球規模でもすべてがつながっているということです。

SDGsを企業経営に取り入れて、一歩ずつ進んでいくために

どんな産業でも、生産から、製品流通、廃棄物処理や再生・再利用の過程など、あらゆる分野で環境への配慮が求められており、それによって消費者から選ばれ、投資上の評価などにおいても大きな変化が出てくるのは言うまでもありません。
企業経営にSDGsを反映させていくこと、あわせて、そのための仕組みづくりを進めることが重要ですが、それを担う人材の確保・育成や社内の環境づくりなど、人に対する投資がこれからの企業にとっては第一のものであるでしょう。もちろん企業の業態や体力の問題がありますが、進むべき方向は見えているわけです。
SDGsを企業経営に反映させながら、さまざまなステークホルダーも納得する方向にどのように舵を切り、どう具体的に進めていくべきなのかが問題です。
 一歩ずつ進んでいくことが重要ですが、私たちは、そうした企業の動きをサポートしていくために、変革への意志ある人たちと一緒に考えることから始めたいと考えています。

出典
外務省 JAPAN SDGs Action Platform  SDGグローバル指標(SDG Indicators)
「14:海の豊かさを守ろう」「15:陸の豊かさも守ろう」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal14.html
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal15.html

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