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【連載SDGs :目標7】「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とこれからの企業活動

目次

 ・持続可能なエネルギー利用のために世界規模の視点から
 ・それぞれの企業で進む環境負荷を減らす取組み
 ・見せかけのエコ、「グリーンウオッシュ」に陥らないように
 ・ほんとにエコなのかどうかは実は分かりにくい
 ・多様な選択肢の中からより良きものを選んで注力していく

持続可能なエネルギー利用のために世界規模の視点から

SDGsの目標7は「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。その具体的内容は、「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」です。
ここでは、全地球的に持続可能なエネルギー利用を公平なかたちで進めるとともに、より効率的なエネルギー利用に向けた技術革新などが求められています。
昨今の国際情勢をみても低炭素社会に向けた取り組みが世界的に要請されている一方で、コロナ禍やウクライナ侵攻などによるエネルギーや原材料価格の高騰などの問題も顕在化しています。
このように、近い将来を見通すことさえ困難な時代において、それでも、人類全体にとって持続可能な社会のためのSDGsは、国や企業や個々人においても、今後の目指すべき方向を示す指針としての価値を失っていないのは確かなことです。

それぞれの企業で進む環境負荷を減らす取組み

SDGsの目標7に関しては、エネルギー効率の改善や化石燃料などの使用量を減らすなどして、低炭素社会を早期に実現することが国際的にも要請されています。
われわれ生活者やそれぞれの企業としては、具体的には生活や生産活動において、よりクリーンなエネルギーの効率的な利用に努め、全社会的に環境負荷を減らす方向で取り組んでいくことになるでしょう。
企業としてはすでに懸命な努力と対応を取られているところが大半のようで、実際に私たちの研修などでも、基本的な概念に加えて具体的な取り組み方法を学びたいという例が多いのを実感しています。※1
持続可能なエネルギー利用に向けては、今後は社会のシステム自体の変革が必要とされていて、その方向に即したかたちでの事業活動が求められていることは、すでに多くの企業でも十分に理解されている現状が見て取れます。

見せかけのエコ、「グリーンウオッシュ」に陥らないように

一方、近年、環境に配慮していることを企業として積極的にアピールする例も多く見られます。しかしその際には、今後一層の慎重さが求められているとも言えそうです。
本当に環境に良いのかどうかは、原材料の調達から、サプライチェーン全体、さらに廃棄や再生利用の過程なども含めて、常に検証しながら、深化させていかなければ、すぐに陳腐化し実態を伴わなくなってしまう恐れがあるからです。
最近よく取り上げられる言葉に「グリーンウオッシュ(greenwash)」があります。これは、whitewash(ごまかし)とgreen(環境配慮)を組み合わせた語ですが、企業などが、実態は異なるのに環境に配慮した取り組みを行っているように見せかけていることを指しています。
わざとでなくても、安易な時代遅れの手法のままで良しとしていては、消費者の目はごまかせない時代になってきています。
社会全体の環境意識が高まりつつあるなかで、企業がSDGsに取り組んでいることを声高にアピールしても、それはもう当然のことだという空気もあるでしょう。かと言って、そのことで従来の取り組みを断念するのは決して良策だとは言えません。そこには、常に世界規模の視点で将来を見通していこうとする努力がやはり重要なのです。

ほんとにエコなのかどうかは実は分かりにくい

身近な例で言うと、数年前からレジ袋の代わりにエコバッグの持参が推奨されていますが、材料の生産・調達や製造から輸送に関わるエネルギーを総量で考えた場合には、ほんとうには、どちらがよりエコなのかはすぐに答えは出ないわけです。あるいは、プラスチック製品を使うことが悪なのではなく、自然界で分解できないものを環境に垂れ流すことが問題なのだとも言えそうです。
ただし、レジ袋の有料化が、少なくとも私たちの環境意識を高めるのには、非常に大きく寄与したのは確かなことでしょう。

多様な選択肢の中からより良きものを選んで注力していく

例えば電力の供給では、化石燃料を使用するにしろ、あるいは再生可能エネルギーによる発電にしても、限られた場所で大量に発電して各地に送るだけではなく、各地域で適宜な発電量を確保したり、相互に連携したりなどする、自立分散型エネルギーの供給・利用も今後の社会においては不可欠な要素になりそうです。
その意味で、私たちの研修でも取り扱っていますが、住宅のエネルギー収支をゼロ以下にする「ZEH(ゼッチ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」などの今後の可能性は大きいと思われます。ご存じの通り、蓄電技術や電気自動車などとの連携で、今後、社会的に大きな潮流を生み出していくことが期待されています。※2
いずれにせよ、事業活動においては、今後グリーンテクノロジーの展開や新しい技術革新が世界的な市場に向かって大きな価値を生み出していくことでしょう。

この激動の時代においても、SDGsという国際社会の目標は、理想だけでは終わらないのは言うまでもありません。今は、加速度的に変化する時代。持続可能な社会の実現に向けて、それぞれの企業が、いかに貢献していくのかを常に念頭において、試行錯誤しながらも独自の事業を進めていくことが重要なのです。

※1 KBIでは、SDGsに関するセミナーやeラーニングのプログラムを用意しており、目標7に関連しては、カーボンニュートラルの概念と動向を学ぶ「カーボンニュートラル研修」などを実施しています。
※2 KBIでは、ZEH (ゼッチ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関しても、ZEH等住宅の省エネルギー化の基礎知識に関する「ZEHセミナー」を実施しています。

出典
外務省 JAPAN SDGs Action Platform  SDGグローバル指標(SDG Indicators)
「7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal7.html

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